No.287, No.286, No.285, No.284, No.283, No.282, No.281[7件]
アッサナ#落書き

かわいいねぇ〜。
さなの胸でかく描きすぎたな……とか色々なことを思ったが、まぁ……それが描きたかったからな。と頷いて己の道を進むことにした
そして、原稿データが完成しました 偉いですね

かわいいねぇ〜。
さなの胸でかく描きすぎたな……とか色々なことを思ったが、まぁ……それが描きたかったからな。と頷いて己の道を進むことにした
そして、原稿データが完成しました 偉いですね
本当に難しいなこの人は 加工したらシャツの色おかしくなったし……

フワフワのカニ、商品名が「fluffy crab」で最高だった

もしかして上司=カニ(カニパン)ってもう終わった文化すか
まぁ……言うほどカニじゃなかったしな、昔から……
ついでに現パロヴィルヘルムお花屋さんシリーズ#小話
条件反射の呪文も出ず、手から何かが滑り落ちた。角から床に接触した発注用のタブレット端末が断末魔を上げる。
死んだのだ。
来店早々に金属質な悲鳴を聞かされた丸い黒眼鏡の老紳士は、豊かな体躯を揺らして驚いた。
「なんと、君、大丈夫かね」
「指揮者ハマノフ」
「おや。よもやご存知ですかな」
ご存知どころではない。指揮者ハマノフ。彼が指揮するオーケストラは何度か見に行った。
同じ曲だとしても演奏や指揮の如何により何度も楽しむことができるクラシックの寛容さと、宝物のような大曲を真正面から聴く経験は他に代えがたい幸福を与えてくれる。
楽譜の表面をなぞるに留まらず、歴史まで遡って読み込み、理解と解釈を深めたことで圧倒的な表現を叶える世界的な第一人者。こんな一介の花屋を訪れるような人物ではないことは確かだ。
「なぜ」
突然の出来事に思考はオーバーフローを起こし、愚かにも疑問符を出力することしかできなかった。
「先のコンサートでこちらで誂えたという花束を頂いての。気に入ったのでひとつ孫にも見せてやろうかと」
「左様でしたか」
「とびきり綺麗で目立つ男が来なかったかね? かなり有名なはずだが」
世俗に疎い私には有名かどうかは知り得ないが、とびきり綺麗で目立つ男に該当する人物には確かに覚えがある。
「怪物のような男が一人」
「怪物!」
浮足立った脳はいまだ静止弁が機能せず、思考そのままの言葉が口を突いて出た。
対した相手はほほーう、と鳥の鳴き声のような笑い声を響かせ、「その通り」と続く声は穏やかだった。
「失礼しました」
「いやいや、正しかろうて。なにせあれで儂と同世代だからのう」
耳から入った言葉の意味を咀嚼し、目を閉じる。思い出す。目を開く。
長い瞬きになった。
何度記憶の引き出しを開けても、あの男は私と同程度の外見年齢だった。どう見ても。身なりに気を遣っている分、年下に見えたとしても何らおかしいところはない。
あの正体不明の怪物がハマノフ翁と同世代というのは──初対面の相手の心を解す、老紳士の心ばかりのユーモアだろう。
「ご冗談もお見事です」
「ほっほっほ」
老紳士はなんとも愉快そうに、朗々とした笑い声だけを響かせていた。
「孫が持てる大きさでは小さなものになってしまうが、よろしいかな」
「ええ」
金額とか利益とかどうでもよかった。今この瞬間だけは、花屋でよかったとさえ思う。
「ところで君、それは本当に大丈夫なのかね」
死後数分、床に伏せたままの金属板を示したハマノフ翁が控えめに尋ねる。
「形あるものは、いずれこうなる運命ですので」
「ほーう……」
気にしてもらうことではない、と言いたかっただけなのだが、妙に壮大な話になった。己を恥じる。
「ご令孫はどういったものがお好みですか」
「ふーむ。まだ花などよく分からんだろうし、可愛らしいものがいいと思うのだが」
「差し上げたい花はございますか」
「いや、お任せしよう」
「かしこまりました」
今までこんなにも花束が作りたかったことはない。いや、本当は作りたくないのかもしれない。
可愛らしい、子ども向けの花束。一番苦手だ。子ども向けと勝手に思い込んで自分で選択肢を狭めているのが原因なのだと思う。
主役の色は明るいものがいいだろう。顔が大きくて分かりやすく目を引くガーベラに、小さめの向日葵。色彩のトーンは黄色を中心に暖色を揃える。
横にジニアとマリーゴールド、それから淡い色のスプレーバラを少々。隙間にはカスミソウを差し、外側にアイビー。
セロファンと明るい包装紙に包んでグログランリボンでまとめる──今日の私は機嫌がいいのでシールも貼った──と、妙に元気のいい花束が目の前に現れて若干たじろぐ。世話をする私に元気がなくとも、適切にやっていれば花は勝手に元気になる。
ありがたいことだ。
「いかがでしょうか」
己の浅い「可愛らしい」の理解と経験値では、果たしてこれが適当であるかは甚だ不明だった。
「随分立派だ! 明るくて、うむ、可愛らしいのう」
正解を提出し、喜ばれたことに深く息を吐くことで、自分が緊張していたことをようやく自覚する。ハマノフ翁はうむうむと頷き、孫を想う好々爺の顔をした。
「ままごとに使わせるには勿体ない。花がよいのだろうなぁ」
「恐縮です」
使った花とラッピング用品を計算し、滞りなく会計を終える。きわめて一般的な範囲に収まったことに安堵した。豪華で派手にするのは簡単だが、少ない本数でそうと思わせずまとめるのは存外手間がかかる。
「よい記念になった、儂を知っていてくれるのなら尚のことだ。記念にサインでもさせてもらえんかね」
帰り際、思っても見ない提案がなされた。ハマノフ翁は類い稀なる善の心をお持ちなのだろう。昨日までの私は、今日この日のために生きていたのかもしれない。
「光栄です」
口にした後に気が付いた。何にだ。
脳の機能を一気に活発化させる。色紙などはない。書けそうな私物も。店の壁にでも書いてもらうか。それを剥がして持って帰る。
ふと視線を落とした先に、死後数十分が経過した哀れな金属の死体が見えた。
配達から戻った部下が、小さなイーゼルに立てられた板を見て物珍しそうに言う。
「タブレットの死体を晒し首にでもしてんのか?」
物言わぬ黒い画面には、雷が落ちたようなヒビが天井の照明を反射して光っていた。
「それは責務を全うした」
「落としただろ。どう見ても」
他責思考だな、と呟いた部下はタブレット端末を片手で持ち上げると、ほとんど無意識のうちに裏返して更に怪訝な顔をする。
「なんだこのサイン。あんたのか?」
私は衝動的に暴力を振るいたい気持ちになったが、賞賛されるべき理性で浅はかな加害性を収めることに成功した。
畳む

フワフワのカニ、商品名が「fluffy crab」で最高だった

もしかして上司=カニ(カニパン)ってもう終わった文化すか
まぁ……言うほどカニじゃなかったしな、昔から……
ついでに現パロヴィルヘルムお花屋さんシリーズ#小話
条件反射の呪文も出ず、手から何かが滑り落ちた。角から床に接触した発注用のタブレット端末が断末魔を上げる。
死んだのだ。
来店早々に金属質な悲鳴を聞かされた丸い黒眼鏡の老紳士は、豊かな体躯を揺らして驚いた。
「なんと、君、大丈夫かね」
「指揮者ハマノフ」
「おや。よもやご存知ですかな」
ご存知どころではない。指揮者ハマノフ。彼が指揮するオーケストラは何度か見に行った。
同じ曲だとしても演奏や指揮の如何により何度も楽しむことができるクラシックの寛容さと、宝物のような大曲を真正面から聴く経験は他に代えがたい幸福を与えてくれる。
楽譜の表面をなぞるに留まらず、歴史まで遡って読み込み、理解と解釈を深めたことで圧倒的な表現を叶える世界的な第一人者。こんな一介の花屋を訪れるような人物ではないことは確かだ。
「なぜ」
突然の出来事に思考はオーバーフローを起こし、愚かにも疑問符を出力することしかできなかった。
「先のコンサートでこちらで誂えたという花束を頂いての。気に入ったのでひとつ孫にも見せてやろうかと」
「左様でしたか」
「とびきり綺麗で目立つ男が来なかったかね? かなり有名なはずだが」
世俗に疎い私には有名かどうかは知り得ないが、とびきり綺麗で目立つ男に該当する人物には確かに覚えがある。
「怪物のような男が一人」
「怪物!」
浮足立った脳はいまだ静止弁が機能せず、思考そのままの言葉が口を突いて出た。
対した相手はほほーう、と鳥の鳴き声のような笑い声を響かせ、「その通り」と続く声は穏やかだった。
「失礼しました」
「いやいや、正しかろうて。なにせあれで儂と同世代だからのう」
耳から入った言葉の意味を咀嚼し、目を閉じる。思い出す。目を開く。
長い瞬きになった。
何度記憶の引き出しを開けても、あの男は私と同程度の外見年齢だった。どう見ても。身なりに気を遣っている分、年下に見えたとしても何らおかしいところはない。
あの正体不明の怪物がハマノフ翁と同世代というのは──初対面の相手の心を解す、老紳士の心ばかりのユーモアだろう。
「ご冗談もお見事です」
「ほっほっほ」
老紳士はなんとも愉快そうに、朗々とした笑い声だけを響かせていた。
「孫が持てる大きさでは小さなものになってしまうが、よろしいかな」
「ええ」
金額とか利益とかどうでもよかった。今この瞬間だけは、花屋でよかったとさえ思う。
「ところで君、それは本当に大丈夫なのかね」
死後数分、床に伏せたままの金属板を示したハマノフ翁が控えめに尋ねる。
「形あるものは、いずれこうなる運命ですので」
「ほーう……」
気にしてもらうことではない、と言いたかっただけなのだが、妙に壮大な話になった。己を恥じる。
「ご令孫はどういったものがお好みですか」
「ふーむ。まだ花などよく分からんだろうし、可愛らしいものがいいと思うのだが」
「差し上げたい花はございますか」
「いや、お任せしよう」
「かしこまりました」
今までこんなにも花束が作りたかったことはない。いや、本当は作りたくないのかもしれない。
可愛らしい、子ども向けの花束。一番苦手だ。子ども向けと勝手に思い込んで自分で選択肢を狭めているのが原因なのだと思う。
主役の色は明るいものがいいだろう。顔が大きくて分かりやすく目を引くガーベラに、小さめの向日葵。色彩のトーンは黄色を中心に暖色を揃える。
横にジニアとマリーゴールド、それから淡い色のスプレーバラを少々。隙間にはカスミソウを差し、外側にアイビー。
セロファンと明るい包装紙に包んでグログランリボンでまとめる──今日の私は機嫌がいいのでシールも貼った──と、妙に元気のいい花束が目の前に現れて若干たじろぐ。世話をする私に元気がなくとも、適切にやっていれば花は勝手に元気になる。
ありがたいことだ。
「いかがでしょうか」
己の浅い「可愛らしい」の理解と経験値では、果たしてこれが適当であるかは甚だ不明だった。
「随分立派だ! 明るくて、うむ、可愛らしいのう」
正解を提出し、喜ばれたことに深く息を吐くことで、自分が緊張していたことをようやく自覚する。ハマノフ翁はうむうむと頷き、孫を想う好々爺の顔をした。
「ままごとに使わせるには勿体ない。花がよいのだろうなぁ」
「恐縮です」
使った花とラッピング用品を計算し、滞りなく会計を終える。きわめて一般的な範囲に収まったことに安堵した。豪華で派手にするのは簡単だが、少ない本数でそうと思わせずまとめるのは存外手間がかかる。
「よい記念になった、儂を知っていてくれるのなら尚のことだ。記念にサインでもさせてもらえんかね」
帰り際、思っても見ない提案がなされた。ハマノフ翁は類い稀なる善の心をお持ちなのだろう。昨日までの私は、今日この日のために生きていたのかもしれない。
「光栄です」
口にした後に気が付いた。何にだ。
脳の機能を一気に活発化させる。色紙などはない。書けそうな私物も。店の壁にでも書いてもらうか。それを剥がして持って帰る。
ふと視線を落とした先に、死後数十分が経過した哀れな金属の死体が見えた。
配達から戻った部下が、小さなイーゼルに立てられた板を見て物珍しそうに言う。
「タブレットの死体を晒し首にでもしてんのか?」
物言わぬ黒い画面には、雷が落ちたようなヒビが天井の照明を反射して光っていた。
「それは責務を全うした」
「落としただろ。どう見ても」
他責思考だな、と呟いた部下はタブレット端末を片手で持ち上げると、ほとんど無意識のうちに裏返して更に怪訝な顔をする。
「なんだこのサイン。あんたのか?」
私は衝動的に暴力を振るいたい気持ちになったが、賞賛されるべき理性で浅はかな加害性を収めることに成功した。
畳む
今日成果多くて良かった。オプション見直すだけでクリア率上がるな〜。上達の自覚が全くないのも問題だろうが……
ハイジャパ3はAC当時結局クリアできなかったと思うからかなり嬉しい。そして当時サドプラ切り替えなど使わずクリアしていた豪の者たちに敬礼。これは付け外しの暇はなく、気合いだったが……

久しぶりにINFも叩き起こして遊んだら弱い⭐︎11そこそこノマゲできた。手がある程度動けば後は目なんだな〜と思う
IIDXの物量はほんと腕の筋肉全体に来るからウオオオオーって悲鳴あげてるがどうしたら鍛えられるんだろう。
短期目標決められなくてモチベないのでいい曲あったら教えてください
灰燼やってて思い出したけどポップンに必要なのはサドプラ表示切り替えよりフローティングハイスピードじゃないんか?IIDXの皿チョンみたいにポップくんを殴る
私は皿チョンも苦手なのでこれがあるからと言ってハチャメチャなソフランを許容しているわけではない
絵のアカウントに載せた絵あんま劣化しなくて良かった。仕様ころころ変わるから難しいね
ハイジャパ3はAC当時結局クリアできなかったと思うからかなり嬉しい。そして当時サドプラ切り替えなど使わずクリアしていた豪の者たちに敬礼。これは付け外しの暇はなく、気合いだったが……

久しぶりにINFも叩き起こして遊んだら弱い⭐︎11そこそこノマゲできた。手がある程度動けば後は目なんだな〜と思う
IIDXの物量はほんと腕の筋肉全体に来るからウオオオオーって悲鳴あげてるがどうしたら鍛えられるんだろう。
短期目標決められなくてモチベないのでいい曲あったら教えてください
灰燼やってて思い出したけどポップンに必要なのはサドプラ表示切り替えよりフローティングハイスピードじゃないんか?IIDXの皿チョンみたいにポップくんを殴る
私は皿チョンも苦手なのでこれがあるからと言ってハチャメチャなソフランを許容しているわけではない
絵のアカウントに載せた絵あんま劣化しなくて良かった。仕様ころころ変わるから難しいね
絶対お花屋さんになってほしい 強い意志があります

ざくざく書きたいところだけ書くヴィルヘルムお花屋さんシリーズ#小話
自動ドアが開くと条件反射で呪文を唱える。パブロフの犬もこんな気分だったのだろう。
「いらっしゃいませ」
外の風と共に入ったきたのは人間だった。
首あたりまで髪を伸ばした、世界中の美を掛け集めて作ったような目鼻立ち。それ以外は不明だった。
辞書の完璧という項目には、この顔が載っているのかもしれない。
男だろうが女だろうが老人だろうが若者だろうが、造形が群を抜いて整うとこういう顔に辿り着くのだろう。
「失礼」
完璧の革靴が軽い音を立てて床を踏む。望む望まずに関わらず、容姿によって世間に振り回されてきた苦労を感じさせない落ち着いた低い声。
「花束を頂きたいのだが、頼めるだろうか」
「ご希望はございますか」
男は背筋を伸ばし、首を巡らせて店内を見渡すと、燐寸棒が三本は乗るだろう長いまつ毛が目に影を落とした。
「私が贈るにふさわしいものを」
近年稀にみる奇怪かつ面倒な注文が、まるでなんでもないことのように自然に飛び出してきた。
「かしこまりました」
一礼して引く。開いた冷蔵室の扉から冷えた空気が訪れる。
注文の主にふさわしいものとする場合、まず注文者を認識する必要がある。初めて見た相手だ。正体は不明で完璧。無理だ。であれば、外見や装いから推察していくほかない。
薄い体に合わせた洒脱なスーツはフルオーダーだろう。絹のような繊細な光沢の生地で着心地を追求したサルトリア。
足元は履き込まれた皺と艶のあるアルゴンキンフロントで飾られ、ジャケットの内側では簡素な銀十字が揺れていた。
もういい。視線を花材に切り替える。
嫌だ。
面倒くさい。
自分で考えてほしい。
この手合いは己の美学を持った怪物だ。
聞く必要がないことなど見れば分かるが、市井の花屋である自我が口に喋らせた。
「ご予算はいかほどですか」
「ご予算」
相手ははじめて聞く言葉を舌の上で転がすように笑った。
「気にしなくていい」
想像通りの回答に聞いたことを後悔し、頭が重くなる。
定期的に家に花を飾りに来る花屋くらい持っていそうなものだが、なぜこんな店に来たのか。
花束を作る間、男は地味な花屋の広くもない内装を見て回っていたが、そのうち飽きたらしく花を包むカウンターの前に立った。
対面からほんのわずかに流れてくる、流動的なスエードと塗れた石英のような匂い。温度を感じないそれは無菌的で、ありもしない不安を掻き立てられる。
私は黙々と白い花束を作っていた。茎を長く残して切る。巻きの強い薔薇の棘を落とす。薔薇とダリアを敷き詰めた圧倒的な白の画面に差し込まれる赤い葉のアルテルナンテラ。
ボリュームはあっていいが、派手でないほうがいい。白は清廉潔白などと称されるが、時に強く暴力的だ。そこに少しばかりの毒気があればいい。
「極めて個人的な質問をする。答えたくなければ結構」
包まれていく花たちから視線を外さずに男が言った。こちらは視線だけを返すことで相槌とする。
「君はなぜ花屋を?」
「花が好きなので」
「好きなものを売るのは辛いだろう」
「ええ」
男は満足したのか、それから再び黙って花束になっていく草花を眺めていた。
相槌だけの答えは会話と言えるものだっただろうか。
いつまで経っても花束にリボンを巻くのは気に入らない。好きではない。出来上がったのは豪奢な白い花たちの中に赤い葉が沈む花束。
白にほんの少し寄り添う赤は、皮膚を突き破った首から滴り落ちる赤に似ている。
「吸血鬼に噛まれた喉元のようだ」
男の囁きは誰にも向けられていなかった。私は自らの手元を見つめたまま、「お好みに合わなければ修正します」と呟く。
「いい。私からすれば少々地味だが」
私からすれば充分派手な花束を前に、眉目秀麗な男は形のよい唇に弧を描いて答えた。
会計を済ませる。こちらも価格について考慮しなかったために巨大な胡蝶蘭のような金額になったが、やはり男は意に介するでもなく普通に支払った。当然のように取り出されたのは完全招待制のブラックカード。
「領収書はいかがいたしますか」
「書きたいのか? 領収書」
どう見ても面倒くさそうな男が、ちゃんといちいち面倒くさいことを聞いてくるから暴れたくなる。書きたいも書きたくないもない。業務として客に求められれば書く。それだけだ。
だがこの男は書きたいのか、とこちらに聞いた。だから答える。
「嫌だ」
「では、結構」
風が吹いただけで折れそうな風貌とは裏腹に、男は花束の根元を片手で掴んで歩き去った。
畳む

ざくざく書きたいところだけ書くヴィルヘルムお花屋さんシリーズ#小話
自動ドアが開くと条件反射で呪文を唱える。パブロフの犬もこんな気分だったのだろう。
「いらっしゃいませ」
外の風と共に入ったきたのは人間だった。
首あたりまで髪を伸ばした、世界中の美を掛け集めて作ったような目鼻立ち。それ以外は不明だった。
辞書の完璧という項目には、この顔が載っているのかもしれない。
男だろうが女だろうが老人だろうが若者だろうが、造形が群を抜いて整うとこういう顔に辿り着くのだろう。
「失礼」
完璧の革靴が軽い音を立てて床を踏む。望む望まずに関わらず、容姿によって世間に振り回されてきた苦労を感じさせない落ち着いた低い声。
「花束を頂きたいのだが、頼めるだろうか」
「ご希望はございますか」
男は背筋を伸ばし、首を巡らせて店内を見渡すと、燐寸棒が三本は乗るだろう長いまつ毛が目に影を落とした。
「私が贈るにふさわしいものを」
近年稀にみる奇怪かつ面倒な注文が、まるでなんでもないことのように自然に飛び出してきた。
「かしこまりました」
一礼して引く。開いた冷蔵室の扉から冷えた空気が訪れる。
注文の主にふさわしいものとする場合、まず注文者を認識する必要がある。初めて見た相手だ。正体は不明で完璧。無理だ。であれば、外見や装いから推察していくほかない。
薄い体に合わせた洒脱なスーツはフルオーダーだろう。絹のような繊細な光沢の生地で着心地を追求したサルトリア。
足元は履き込まれた皺と艶のあるアルゴンキンフロントで飾られ、ジャケットの内側では簡素な銀十字が揺れていた。
もういい。視線を花材に切り替える。
嫌だ。
面倒くさい。
自分で考えてほしい。
この手合いは己の美学を持った怪物だ。
聞く必要がないことなど見れば分かるが、市井の花屋である自我が口に喋らせた。
「ご予算はいかほどですか」
「ご予算」
相手ははじめて聞く言葉を舌の上で転がすように笑った。
「気にしなくていい」
想像通りの回答に聞いたことを後悔し、頭が重くなる。
定期的に家に花を飾りに来る花屋くらい持っていそうなものだが、なぜこんな店に来たのか。
花束を作る間、男は地味な花屋の広くもない内装を見て回っていたが、そのうち飽きたらしく花を包むカウンターの前に立った。
対面からほんのわずかに流れてくる、流動的なスエードと塗れた石英のような匂い。温度を感じないそれは無菌的で、ありもしない不安を掻き立てられる。
私は黙々と白い花束を作っていた。茎を長く残して切る。巻きの強い薔薇の棘を落とす。薔薇とダリアを敷き詰めた圧倒的な白の画面に差し込まれる赤い葉のアルテルナンテラ。
ボリュームはあっていいが、派手でないほうがいい。白は清廉潔白などと称されるが、時に強く暴力的だ。そこに少しばかりの毒気があればいい。
「極めて個人的な質問をする。答えたくなければ結構」
包まれていく花たちから視線を外さずに男が言った。こちらは視線だけを返すことで相槌とする。
「君はなぜ花屋を?」
「花が好きなので」
「好きなものを売るのは辛いだろう」
「ええ」
男は満足したのか、それから再び黙って花束になっていく草花を眺めていた。
相槌だけの答えは会話と言えるものだっただろうか。
いつまで経っても花束にリボンを巻くのは気に入らない。好きではない。出来上がったのは豪奢な白い花たちの中に赤い葉が沈む花束。
白にほんの少し寄り添う赤は、皮膚を突き破った首から滴り落ちる赤に似ている。
「吸血鬼に噛まれた喉元のようだ」
男の囁きは誰にも向けられていなかった。私は自らの手元を見つめたまま、「お好みに合わなければ修正します」と呟く。
「いい。私からすれば少々地味だが」
私からすれば充分派手な花束を前に、眉目秀麗な男は形のよい唇に弧を描いて答えた。
会計を済ませる。こちらも価格について考慮しなかったために巨大な胡蝶蘭のような金額になったが、やはり男は意に介するでもなく普通に支払った。当然のように取り出されたのは完全招待制のブラックカード。
「領収書はいかがいたしますか」
「書きたいのか? 領収書」
どう見ても面倒くさそうな男が、ちゃんといちいち面倒くさいことを聞いてくるから暴れたくなる。書きたいも書きたくないもない。業務として客に求められれば書く。それだけだ。
だがこの男は書きたいのか、とこちらに聞いた。だから答える。
「嫌だ」
「では、結構」
風が吹いただけで折れそうな風貌とは裏腹に、男は花束の根元を片手で掴んで歩き去った。
畳む


ヴィルヘルムは高い所に置き去りにされて(※別に置き去りにしたつもりはない)「どうした早く降りてこい」って言われて泣いててほしいから
今日株主優待で美味いものが届いて嬉し〜って感じなんだけどKONAMIの株ってみんなどんな気持ちで買ってんすか 応援かな
私は利益出ないと安易にキレてしまうため本当に好きな会社の株怖くて買えない、株主総会でよしくん相手に暴れたくないし……(出てくるかは知らない)